殺戮都市

真っ二つに分かれ、地面に倒れて動かなくなった怪物。


俺は日本刀から手を放すと、恵梨香さんと亜美が待っている場所へと戻った。


俺が助けた女子高生、優はまだ怯えた様子。


仲間が殺されたんだから無理もないか。


「強くなったな、少年。流石は星5レアと言ったところか」


「本当に……そうですよね。あの武器があるから強くなれたんだって、今なら分かります」


最初はあれだけ歯が立たなかった怪物を、こうも簡単にやれるのだから。


「さて、この仲間に見捨てられた哀れな女子高生だが……真治少年。自分の不始末は自分でどうにかするんだ。良いな?」


恵梨香さんに言われて見た優。


ビクッと身体を震わせ、俺に怯え切った眼差しを向ける。


一度助けた相手を殺すなんて、悲しいよな。


一度殺した女子高生を助けようとした俺が言うのもなんだけど。


こうした矛盾は、この街には付き纏う事で、いつも極端な選択を迫られる。


1秒前は白でも、1秒後には黒になる事だって多々あるのだ。


だけど……この子は、さっきの話を聞く限りでは俺との約束を守って、俺の事を言ってないと思う。


あれだけ仲間がいたら、強気になって言っていてもおかしくはないだろうに。