殺戮都市

目の前で仲間を喰われて、手に掴まれている女子高生が狂ったように叫び始める。


喰われて、口から落下した女子高生。


しかし怪物は、落下した女子高生が地面に付く前にその頭部に喰らい付いた。


ダラリと口から立てる女子高生の身体。


喰い千切られた腹部から、解放されたように内臓が飛び出す。


「哀れな末路だな……復讐に失敗し、仲間を犠牲にして、最後は人でないものの餌となったか」


「そんな事言ってる場合ですか!まだ一人は生きてるんだから……」


優を避けて、俺は怪物に向かって駆け出した。


喰われている方には悪いけど、もう一人は助けられるかもしれないと。


「助けて!助けて!食べられたくない!助けて!」


泣き叫びながら、走る俺に必死に手を伸ばす女子高生。


だけど……。


















噛み付いていた女子高生の頭部を喰い千切り、ゴクンと飲み込むと、再び大きな口を開いたのだ。


その口が女子高生の頭上に迫る。


「あ……ああ……」


身動きが取れず、死の恐怖に震える女子高生。


ダメだ……間に合わない!


まだ距離があってどうにも出来ない。


そんな俺の目の前で、女子高生の頭部が完全に怪物の口の中に入った。