殺戮都市





「戦闘が開始されました。キングを破壊してください」






その声が端末から流れたのは、女の子を窓から逃がした直後の事だった。


恵梨香さんに殺せと言われたのに逃がしてしまって、俺はトイレの壁にもたれて考えていた。


戻ったら怒られるだろうな。


どうして殺さなかった?とか言われてさ。


ソウルが0だったから、殺せなかったと言ったところで、恵梨香さんは許してはくれないだろう。


どうせ怒られるなら、女の子の誘いに乗ってやらせてもらえば良かったよ。


変に格好付けてしまった自分が嫌になる。


それでも、どうにか怒られないように、色々理由を考えて。


俺が入った時には女の子はすでに窓から逃げようとしていたという事にすれば大丈夫じゃないかと思い、トイレを出た。


「遅かったな。ちゃんと仕留めたのか?」


店の入り口を守っている恵梨香さんが、俺を見るなりそう尋ねた。


「え、ああ……そ、それがですね。俺が入った時にはもう逃げていて……いなかったんですよ」


「そうか。それにしては随分長々と話していたじゃないか。ドアを開けっ放しで会話が聞こえないと思ったか?」