殺戮都市

空気が……痛い。


出来るなら飛び出したくはない。


光の壁に向かって東軍のやつらが移動しているのだから、カウンターから飛び出しただけで外のやつらに気付かれる可能性があるのだ。


見られてはならないという思いが、緊張感となって俺を襲う。


動けば刺さってしまうような鋭い空気。


「ぎゃはははっ!あんた最悪じゃん、彼氏よりあんなおっさんを取るなんてさ」


「だったさ、考えて見なよ?この街にいない男に何を求めろって言うのよ。いない彼氏より近くのおっさんだって」


うるさいな……こんなにうるさかったら亜美がどのタイミングで起きるか。


(少年、今のうちに移動するぞ)


この状況は危険だと感じたのか、恵梨香さんが俺に耳打ちをする。


隙を見て飛び出す……そう考えていたものの、亜美が起きてしまえば見付かってしまうと考えたのだろう。


(亜美はどうするんですか?)


(同じ軍なんだから見付かっても大丈夫だ。場所を変えるだけだからついて来い)


そう俺に囁いて、屈んだ状態で移動を開始する。


俺もそれに続いて、カウンターの切れ目までやって来た。


そして……。













「お、お姉ちゃ……」
















夢を見ているのか、亜美が声を上げたのだ。