殺戮都市

言うだけならどんな事だって言える。


こうやって話している事は、実際に見た事ではなくて、想像に過ぎないのだから。


バベルの塔の周りにいる怪物ともまだろくに戦えない。


それなのに、もしも塔の内部に入る事が出来たとして、俺に何が出来るだろう?


きっと、外以上に厳重に守られているに違いないのだから。


「それも先の話だ。少年と二人で潜入しようだなんて考えていない」


今の俺ではまだまだ力量不足という事は、恵梨香さんも分かっているようで、少し気が楽になった。


「もしも……塔の中に望んでいるものがなくて、元の世界に戻れないとしたら……恵梨香さんはどうするつもりですか?」


俺の答えは決まっている。


何としてでも西軍のキングを破壊して、元の世界に戻る。


恵梨香さんも同じ事を言うだろうと思っていたけど……。


「そうだな……殺し合いなんて辞めて、消滅するその時まで穏やかに過ごすのも……悪くないかもしれない」


フフッと微笑んで、眠っている亜美の頭を撫でてそう呟いたのだ。


元の世界に戻りたくないのか?


これだけ強い恵梨香さんなら、簡単にキングを見付けて破壊出来るだろうに。