殺戮都市

「いないとは言わない。だけどな、この街では他人の世話を焼く人間は死ぬんだよ。弱みに付け込まれてな。それは真治少年も分かっているだろう?」


新崎さんと言い、亜美のお姉ちゃんと言い、人を守ろうとした人は死んでいる。


まだこの街に来て間がないけれど、恵梨香さんが言いたい事は痛いほど理解出来た。


「だったら……どうすれば良いんですか。まだこんなに小さいのに、ここに置き去りなんて出来ないですよ」


「私達に付いて来たら……自分の身を守れないなら死ぬだけだぞ?それがこの子の為になると思っているのか?」


私達に……か。


俺がこの喫茶店に辿り着いた事で、一緒に行く事を認めてくれたのかな。


それにしたって、亜美を一人にはしておけないんだよ。


この街にはそんな場所はないかもしれないけど、どこか安全な場所に。


それが見付かるまでは、俺が一緒にいてやらないと。


「この子は俺を助けてくれたんですよ。なのに、俺は助けないってあんまりじゃないですか。戦うのは無理かもしれないけど……一緒にいてやりたいんですよ」


小学生特有の生意気な部分も、背伸びして大人ぶっている様子も見せない。


そんな亜美に、寂しい思いをさせたくはなかった。