殺戮都市

当たりそうで当たらない……この男は、相手の武器の間合いを見極めて回避しているのか。


それだけで、俺とこの男の経験の差がはっきりと分かる。


だけど……その行動に、微かな違和感を覚えた。


いや、違和感と言うよりも……大きな勝機を。


それに気付いた瞬間、俺のあごを下から振り上げるアッパーが捉える。


脳の後ろに痛みを感じ、勢い良く仰向けに倒れた。


日本刀とは違い、リーチが短いからすぐに反撃されてしまう。


この武器……まずかったかなと思ったけど、今はこれでやるしかない。


フラフラになりながら立ち上がった俺は……ハンマーを握り締めて男を見た。


上手く行くかどうかは分からない。


だけど、殴られ蹴られして、疲労が目に見えて分かる俺に、いつナイフが突き立てられるか。


「結局そんなもんだろ。もうお前の相手をするのも飽きたぜ。さっさと死ねよ」


男の顔付きが変わった。


今まで遊んでいたようなのに……本気の目だ。


俺が考えた事が……この男に通用するのか。


考えてなんていられない。


グッとハンマーを握り締めた俺は、それを頭上に振り上げた。