殺戮都市

男は、俺のそんな一瞬の心の迷いを察知したかのように、後方に飛び退いた。


チラリとロビーの入り口を見て、脱出しようと言うのか。


「ガキが二人……しかも南軍のカスがいるとはな。おい、テメェ。死ねると思うなよ?楽しい楽しい拷問生活が待ってるぜ?」


男はそう言って、空間から鉈(なた)を取り出した。


ジッと見ていると、その武器が星3レアだというのが感覚で分かる。


この男……逃げるつもりなんてない。


俺を殺さない程度に痛め付けて、拷問するつもりだ。


そしてそうなってしまえば、亜美だってただじゃ済まない。


お姉ちゃんによって守られていたけど、それももうなくなってしまったのだから。


「お、お兄ちゃん……」


「亜美は隠れてろ。俺が何とかする」


日本刀の先端を男に向けて、俺は亜美に手を振って見せた。


相手の力量が分からない。


それは、この男にしても同じなのだろうけど……随分余裕があるように見える。


俺が高校生だからって、甘く見ているのか。


「そんな物騒なもん持ってよ、人を殺した事があるのかよ?俺が何人殺したか教えてやろうか?」


フラフラと鉈を振り、不敵な笑みを浮かべて、男が近付いて来た。