殺戮都市

弓長のおじちゃん?


誰だか知らないけど、見付かったらまずい事に変わりはない。


亜美は知り合いのようだし、上手くやり過ごしてくれると良いんだけど。


様子を伺っていると、一人の男がロビーに入って来た。


スーツ姿の……ホストみたいな見た目の、チャラチャラした男が。


「ああ?ガキはいるじゃねえかよ。美咲はどうした?」


ボリボリと頭を掻きながら、不機嫌そうにそう言って亜美に近付く。


「お、お姉ちゃんは……」


俺が死んでいると諭してしまったからか、亜美は口ごもってはっきりと言えないみたいだ。


チラリと見た、お姉ちゃんの遺体のある部屋。


その目の動きを、この男は見逃さなかった。


「……そこにいやがるのかよ。おい、美咲ぃ!!テメェ、忘れたんじゃねぇだろうなぁ!?」


怒りを振り撒き、男があの部屋へと向かう。


俺は、観葉植物の陰から、柱の陰へと身を移し、二人の様子を伺った。


何だかあんまり良いやつじゃなさそうだけど……それでも、お姉ちゃんが死んでいると知れば、亜美を保護してくれるかもしれないから。


それを確認したら、ここから出て行こうと決めた。