殺戮都市

俺がここにいると分かっていたのか、泣きながら歩いて、俺の隣にちょこんと腰掛ける亜美。


こんな時、どんな風に声を掛けて良いか分からない。


「ごめんなさい……お兄ちゃんが悪いわけじゃないのに……」


俺なんかよりも、亜美の方がずっと大人なんじゃないかと思えた。


傷付けたのは俺の方で、亜美が謝る必要なんてないのに。


「いや……俺が悪かったよ。お姉ちゃんは、亜美をずっと守ってくれてたんだもんな」


ちょっとでも大人な所を見せなければと、俺も言葉を選んでみるけど……なんて軽く聞こえるんだろう。


「お兄ちゃん……優しい。他の大人は皆怖いから……お姉ちゃんがいないと、私はダメだったんだ」


こんな街だもんな。


皆、自分の欲望に正直で、それ以外の事には何の興味もないんだ。


亜美の気を落ち着かせるように、しばらく二人で他愛のない話をした。


これから先、亜美が一人で生きていかなければならないと思うと、少し可哀想になったけど。
















「おい!美咲ぃ!!いるんだろ!?」
















話をしていると、突然そんな怒鳴り声が聞こえた。


「!弓長のおじちゃん!ダメ、お兄ちゃん隠れて!」


俺は亜美が言うより早く、観葉植物の陰に身を隠した。