殺戮都市

「お姉ちゃんは……いつから寝てるんだ?」


「えっと……どれくらいだろ。私が寝る前にはいたと思うけど」


亜美がいつ寝たのかなんて知らないから、詳しい時間は分からない。


だけどこれは……。


俺は腹部の上に置かれた端末に手を伸ばし、それの電源を入れようとしたけど……バッテリーが切れているかのように、光が灯る事はない。


長椅子から垂れた腕……立ち上がらない端末。


これが意味している事は。


「え?何?お兄ちゃんがカッコ良くて、寝てる所を見られるのは恥ずかしいって?もう、だったら起きれば良いでしょ」


亜美は……一体何を言ってるんだ?


誰と話してるんだ。


「あの……さ、亜美。お姉ちゃんが本当に言ってるのか?そんな事」


だけど、亜美は俺の問いには答えてくれなかった。


「じゃあ、私が起こしてあげるから、しっかり起きてよ」


そう言い、自分よりも重いお姉ちゃんの上半身を起こして壁にもたれさせた。


暗くても……ロビーから入って来る光で分かる。


ダラリと垂れた首と腕。


倒れないように、必死に亜美が支えて……。


お姉ちゃんは……もうすでに生きてはいなかったのだ。