殺戮都市

長椅子に横になっている……俺が迫っているのに、動こうともしないのはなぜだ。


弓矢やボウガンのように、飛び道具を持っているのか?


そうだとしたら、姿を見せる事自体が危険だ。


「お兄ちゃんも、お姉ちゃんと同じように怪我してたんだよ。一緒だね」


張り詰めた空気を察知したのだろうか。


場をなごまそうとしているのか、そうではないのか、亜美が説明するように話した。


「……お邪魔してます。もう出て行くので、とりあえず挨拶だけ」


俺がそう言っても返事はない。


これはどういった状況なんだよ……。


回復に時間が掛かっていて、動けないのか?


だとしても、返事くらいはできるはずだろ。


それなのに何も言わないって事は……。


「もう、お兄ちゃんも中に入って、ほら!」


警戒する俺の腕を引き、強引に中へと引っ張る。


「わっ!ちょっと……」


バランスを崩しそうになり、それでも何とか隙は見せないようにと、お姉ちゃんからは目を逸らさない。


こんなに近付いても、まるで気付いていないようだ。


何かが……おかしい。


俺が感じた違和感。


お姉ちゃんの腹の上に端末が置かれていて、腕が長椅子から落ちていた。