殺戮都市

お姉ちゃんってのも小学生なのか?


そうでなければ、見知らぬやつが入って来て、警戒しないはずがない。


いや……もしかすると俺を安心させておいて、隙を突いて殺すつもりなのかもしれない。


となると、この状況はまずい。


「えっと……お前はお姉ちゃんと二人でいるのか?」


安静にしなければならない俺が出来るのは、喋って警戒しているというのを見せる事だけ。


「亜美だよ」


「え?」


「私はお前じゃないよ。亜美だよ」


女の子は、何も分かっていない様子で、俺に微笑んでそう言ったのだ。


ドアの向こうから、人が飛び出してくる気配も、様子を伺っている気配もない。


本当に……他に誰かいるのか?


「分かった。じゃあ亜美、お姉ちゃんはどうして出て来ないんだ?本当にいるのか?」


「うん、いるよ。でもお姉ちゃん、寝てばかりいるの」


人が入って来たっていうのに、眠ってられるものなのか?


だとしたら、とんでもなく図太い神経の持ち主か、聖母のような人なのだろう。


まだズキズキと痛む顔が治癒したら、決断しなければならない。


お姉ちゃんが俺に牙を剥く可能性があるのであれば。