殺戮都市

いつでも日本刀を抜けるように手だけは構えていたけど……俺は戸惑った。


どう見ても小学校低学年くらいの女の子。


俺を敵だと認識していない様子で、無防備に迫って来ているのだから。


「お兄ちゃん……怪我してるの?」


「え?あ、ああ……勝手に入って悪い」


思わず、普通に会話をしてしまったけど、どうしてこんな小さな女の子がここに?


髪はボサボサで、パステルカラーのワンピース。


この街には似つかわしくないという印象しか受けない。


「怪我してるんだもん、仕方ないよ。あ、でも、お姉ちゃんに聞いて来ないと。ちょっと待ってて」


そう言って、今出て来たドアへと走る女の子。


「ちょ、ちょっと待て!!」


他にも人がいるのか!?


安静にしてなきゃならないのに、人を呼ばれたら大変な事になる!


運が良くて殺される……悪くすれば、捕まって一生拷問か。


そうだとしても、ギリギリまで回復しないと……。


日本刀を抜く準備をして、ドアを凝視する。


すると……。












「うん、良いって。お兄ちゃんがいたいならどれだけいても構わないって言ってた」














出て来た女の子は、笑顔でそう言ったのだ。