殺戮都市

大丈夫なのか、これ?


出血多量で死ぬとか、あり得る話だ。


そんなに深い傷だったか!?


「端末……端末!」


恵梨香さんの傷を癒したように、ソウルを消費して回復するという方法を取るしかない。


慌ててポケットから端末を取り出し、それを操作する。


「ソウルを一個使用して、高速回復を行います。60分間安静にしてください」


何とか回復をして、俺は近くにある何のビルかもわからない建物の前までやって来た。


その入り口から建物の中に入り、ロビーに誰もいない事を確認して、俺は長椅子に横になった。


東軍の陣地の攻撃側……恐らくアタッカーやフリーファイターなんかが集中しているこの場所で身動きが取れないなんて。


移動するだけで傷を追ってしまったペナルティか。


これで、敵に見付かって殺されでもしたら、とんだソウルの無駄遣いだよ。


「はぁ……恵梨香さんもこんな気分だったのかな」


敵陣で動けずに、見付からないようにと祈りながら寝ているなんてさ。


動きたいのに動けない辛さ。


あの時、身体を触らせてでも俺を引きとめようとした恵梨香さんの気持ちが……同じ状況になって理解出来た。


心細かったんだと。