殺戮都市

バベルの塔の近くまで伸びた光の壁。


その切れ間を……塔を守るように配置されている怪物達。


迂闊に飛び込めば、俺なんかじゃあっという間に喰われてしまう。


「えっと……見えてるだけで4匹か。こんな所、恵梨香さんはどうやって抜けたんだよ」


まあ、あの人なら一撃で怪物をやれるから、何の参考にもならないんだけど。


見えてるだけで4匹いるのなら、見えていない所にはもっといると考えるべきだな。


光の壁の端まで、70から100メートルってとこかな。


少しずつ……物陰に隠れながら移動して、徐々にバベルの塔へと近付く。


妙な視線と気配を感じる。


俺がここにいるという事に気付いているのか?


一番近くにいる怪物が、異変を感じ取ったように辺りを見回している。


まだ……見付かってはいないようだけど、これ以上近付くと確実に気付かれるな。


「どうする……走って駆け抜けた方が良いのか」


慎重に行くか、大胆に行くか。


その選択肢でさえ迷って決める事が出来ない俺が、理沙に会って何が出来ると言うのだろう。


考えなくても良い事まで考えて、足を止めるなんて最悪だ。