殺戮都市

バーコードに助けられるとは思わなかった。


そのおかげで命拾いしたけど、俺とは考え方が違う。


いや、ここにいる皆、自分の大切な人が敵軍にいると分かったら、俺と同じ行動を取るはずだ。


その現場に直面したか、していないか。


俺はバーコードと別れ、再び街の中心部へと向かって歩き出した。


恵梨香さんなら……あの程度の敵、軽く撫でるように倒すんだろうな。


光の壁に添って歩く大通り。


人の姿は見えないけれど、怪物の気配はなんとなく感じる。


先の戦闘で死亡して、怪物に「掃除」されたであろう人間。


良く見れば点在しているのが分かる血が、妙な存在感を放つ。


こうして街を見てみると、思ったよりも綺麗な街じゃない。


荒れ果てて、何処かの国のスラム街みたいだ。


高い所から見るのと、こうして地を這っているのとでは受ける印象がまるで違う。


そんな事を考えながら歩いて10
分。


光の壁が途切れているのが、俺の目にも捉える事が出来た。


だけど……いる。


「やっぱり、そう簡単に行かせてくれないか」


車の陰に身を隠し、日本刀を空間から取り出して握り締めた。