殺戮都市

とっさに回避しようと、後方に飛び退く体勢を取っていた俺の胸に、巨大な拳が叩き付けられた。


心臓が止まるかと思うほどの衝撃が身体を駆け巡り、俺は歩道に設置されていたゴミ収集箱まで弾き飛ばされた。


身体の正面と背中、両方に加わった衝撃に身悶えるけど……噛み付かれた時ほどじゃない。


「がはっ!くぅぅ……い、いてぇ」


何とか立ち上がり、日本刀を構えるけど……もうピンチだ。


どうしようもない状況に、早くも死を覚悟した。


「グルルルルル……」


活きの良い獲物が弱った。


後は、どうやって喰うかを考えるだけ。


目の前の怪物はそう言っているように思えてならない。


近付くでも離れるでもなく、俺の周囲を、様子を伺うように移動して。


そして。
















「グルルアァァァァッ!!」













最後の咆哮。


俺を仕留めたつもりで、食事の前の「いただきます」を言ったつもりか、その振動が鼓膜を震わせた。


容赦なく俺に詰め寄る怪物。


大きな口が迫る!


何も出来ないで死んでたまるか!!


強くそう思い、日本刀を構えたその時だった。
















何かが……俺の頭の上を通り過ぎ、怪物の目に刺さったのだ。