殺戮都市

「なんでテメェが持ってんだよ……よこせって……」


再び俺から日本刀を奪おうと近寄る鬼頭竜二。


だけど、そんな行動に腹を立てたのか、明美さんがボウガンを構えて間に割って入った。


セットされているボウガンの矢、ボルトの先端が、鬼頭竜二の眉間に向けられる。


「い、いい加減にしなさいよ!さっきから聞いてれば横暴ね!人が引いた武器を奪おうだなんて、強盗じゃない!ただの悪党よ!」


これは脅しなのか……それとも本気で撃つつもりなのか。


ボウガンを持つ明美さんの手がプルプルと小刻みに震えている。


「知らねえのかよ。俺は元々悪党なんだよ。撃てるもんなら撃ってみろや!!そんな事出来る度胸がお前にあんのか!ああ!?」


全く脅しにビビっていない。


それどころか、その行動が鬼頭竜二の怒りを買ってしまったようだ。


でも、どうすれば良い。


渡さなければ何をするか分からない。


渡しても俺の所に戻って来るんじゃ、どうしようもないじゃないか。


迫る鬼頭竜二に恐怖しながら、そんな事を考えていた時だった。














『全員がガチャをしたのを確認しましたので、皆様を戦場へと案内します。それでは、生きていたらまたお会いしましょう』












バーコードを見ると、手には果物ナイフが握られていた。