殺戮都市

だけど……俺には、そうするであろうという事は分かっていた。


震える足で踏ん張って、素早く左側に転がり、体勢を立て直す。


同じ手で、最初は喰われた。


次は俺の骨と引き換えに腕を切り落とした。


今回は、無傷で回避する事が出来た。


「ワ、ワンパターンなんだよっ!」


恐怖を振り払うように、右手の日本刀を怪物目掛けて振る。


横に振られたその刃は、怪物の胴体をかすめて、僅かな切り傷を付けた。


踏み込みもなく、間合いも遠い。


ただ苦し紛れの攻撃である事は、俺自身にも分かった。


「グアウッ!!」


でも、その行動が怪物を怒らせたみたいで、ギロリと鋭い眼光を俺に向け、怒りで顔を歪めたのだ。


最初の攻撃で仕留められなかったのは……致命的だったかな。


この後、怪物がどう動くかなんて、俺にとっては未知の世界。


出来るなら……来ないでほしいと願ったけど、それは無理なのだろう。


恵梨香さんはいない、他に頼れる仲間もいない。


俺自身と、日本刀一本で、この人を喰らう怪物をどうにかしなければならないのだ。


そうでなければ、東軍に行く事なんて不可能。


恵梨香さんにも認めてもらえないと感じていた。