殺戮都市

外に出て辺りを見回すと、死んだ人が数人目に飛び込んで来た。


ソウルがなくなって、死んだ者は生き返れない。


その末路は、街の中心からやって来るポーンに喰われるというもの。


だから、戦闘が終わってしばらくは、屋内で身体を休める為に寝た方が良いのだ。


「境界線を越えようとしている私達にとっては、中央部の守りが手薄になるこの時間はチャンスだ。もしかすると、真治少年でも行けるかもしれないな」


光の壁をなぞるように歩き、バベルの塔に向かう俺と恵梨香さん。


戦い慣れていない俺は、無理に戦闘をせずに、最短距離で東軍に入れと言われて、少し気が楽になっていた。


だけど、身体が震えて、思うように走れるかどうか。


それだけが心配だった。


「え、恵梨香さんは南軍にはもう用はないんですか?東軍に移動するなんて」


俺は何を期待して、そんな事を聞いたのか。


もしかすると、「真治少年が強くなるまで、もう少しここにいるかな」なんて言ってくれるかもしれないと思っていたけど……。


「ないな、暴れて目立ち過ぎた。収穫は何もないのに、これほど目立ってしまってはな」


俺の事なんて、何も考えてくれてはいなかった。