殺戮都市

エレベーターの中、恵梨香さんからこれからどうするのか話を聞く事が出来た。


東軍に行く……その手段は、俺にとっては死を覚悟しなくてはならないものだった。


この町の中央部、バベルの塔の外周には、各エリアから伸びた光の壁は届いていないと言うのだ。


つまり、戦闘時間以外は人の行き来を拒む壁はなく、自由に各軍への移動が出来る。


ただし、そこにはポーンが配置されていて、並の人間では近付く事さえ不可能なのだと、恵梨香さんは言った。


「そ、そんな所、俺が越えられるんですかね?あの怪物が沢山いる場所なんて……」


聞けば聞くほど不安になる。


だけど、恵梨香さんは北軍から、そうやって色んな軍を渡り歩いているんだ。


だったら、俺にだって出来るはずだよな……。


そう思っていないと、怖くて身体が動かないような気がした。


「別に私は付いて来いとは言っていないが。私には私のやる事がある。真治少年もやる事があるから行くのだろう?それとも、私が恋しいだけなのか?」


メットを被ってそんな事を言われると、冗談に聞こえない。


確かに、恵梨香さんと離れるのが怖い。


それもあるけど、東軍に行くと聞いた時から、理沙ともう一度話をしたいという想いが止められなくなっていた。