殺戮都市

「彼女に会ったのか?ここにいないという事は……東軍なんだな」


「はい……こんな街にはいてほしくなかったです」


ベッドに腰を下ろし、脚を組んでジッと俺を見詰める恵梨香さん。


人の心を見透かすようなその目に、俺は何を言って良いのか分からなくなる。


「真治少年、次に彼女と会ったら、情けをかけずに殺せるか?」


そう呟いた恵梨香さんに、俺をいじめようとか、困らせてやろうなんて意思は感じない。


ただ純粋に、俺の心を試しているんだろうな。


「無理ですよ……敵とか味方とか、俺達が決めた事じゃないのに。別れてすぐに、彼女じゃないから殺すなんて言えないです」


言えば言うほど、今まで殺した人達の顔がチラつく。


だったら、赤の他人なら殺しても良いのか?


人を守る為に殺すのは良いのか?


自分に関係ある人は死んでほしくない、関係のない人は殺しても構わない。


そう言っているようで。


「矛盾だらけだよ、この街は。自分は正しい事をしていると思っていても、他人からすればそれは正しくない。喜んで人を殺しても、一方では憎まれて、もう一方ではもてはやされる。考えても仕方がないんだよ」