殺戮都市

「何だか良く分からないけどさ、とにかく理沙は東軍に戻って、どこかに隠れてろよ。南軍のやつらに捕まったら、皆の前でレイプされるかもしれないし」


理沙の彼氏として、それだけは避けたかった。


奈央さんと一緒に寝た時も、さっきの恵梨香さんに対しても、頭のどこかに理沙の事があったから手を出せなかったのだ。


こんな街にいても俺は理沙の彼氏だから、後ろめたい事は出来ないとブレーキを掛けていたんだ。


その事が、理沙と会ってみて良く分かった。


「……か、隠れててもダメだよ。キングを破壊しないと、元の世界に戻れないじゃない……」


元の世界か。


その為に戦ってるんだよな。


ん?でも待てよ?


「理沙は東軍で……南軍のキングを破壊しようとしているんだよな?もしも南軍のキングが破壊されたら……俺は死んじゃうじゃないか」


「う……うん。そうだね」


そうだねじゃないよ。


彼氏である俺を殺そうとしてるんだぞ?そんな事を本気で考えてるわけじゃないよな?


「待て待て、俺が皆死ななくても良い方法を考えるから、キングを破壊するのは少し待ってくれよ」


慌ててそう言ったけど、正直どうして良いかが分からなかった。