殺戮都市

「戦闘が開始されました。キングを破壊してください」


その時が訪れた。


光の壁から近いとは言え、準備時間が短かったから静かなものだ。


それにしても……恵梨香さんはどうしてあんな事を言ったのか。


理由もなく触って良いなんて言うがないよな。


戦闘に参加したら、俺が死ぬとか思ったから、引き止めようとしたのかな。


つまり、俺は頼りなく見られてるってわけだ。


何か情けないよな。


そんな事を考えている間にも、このホテルの前を人が通り過ぎる。


こんな小さなビジネスホテルに攻めて来るやつなんていないとは思うけど、万が一という事もある。


南軍に所属している俺でさえ、どこにキングがいるか分からないのだから、東軍の人間にも分からない。


このビルを調べようとするやつがいるかもしれないのだから。


「来るなよ……来るな」


覚悟を決めると案外来ないもので、最初の衝突を終わらせた人の群れが見えた。


その中の一人……来て欲しくなかったのに、自動ドアを開けて木槌を肩に掛けた女性が入って来たのだ。


ドキッとして、慌てて立ち上がった俺は、武器も出さずにその女性を睨み付けた。