殺戮都市

周りで人が死に過ぎて、感覚が麻痺して来たのだろうか。


新崎さんが死んだ事は悲しいけど、打ちひしがれるような悲しみじゃない。


思えば、それほど長い間一緒にいたわけじゃないし、当然なのかもしれないけど。


人の死を重く受け止められなくなったのかと、自分自身が嫌になる。


「さっきの足音から、二人とは思えない。外にまだ何人かいると考えるべきだろうな」


悲しむ俺の背中を軽く叩き、恵梨香さんが呟いた。


新崎さんが死んだからって、俺は死ねない。


暗にそう言ってくれているのかな。


そうじゃないにしても、今の俺には、そうやって都合良く言葉を解釈するしかなかった。


そうでなければ、動けなくなりそうな気がしたから。


「……分かりました。行きましょう」


新崎さんをここに置いて行きたくはないけど、今の俺にはどうする事も出来ない。


可哀想だけど、このままにしておくしかないのだ。


部屋から出ると、数人の男達が驚いたように俺と恵梨香さんを見た。


斎藤が負けると思っていなかったのか、武器を出すのも忘れて、俺達が通り過ぎるのを見ているだけ。


いつ襲って来るかと警戒していたけど……そんな事もなく、俺達はビルから出て路地に入った。