殺戮都市

これから先、恵梨香さんと新崎さんが顔を合わせた時に、敵と思ったままではいてほしくないから。


「新崎さんは良い人なんです。敵じゃないって事だけは分かってください」


「どうでも良いと言っただろう。まだ分からないのか?」


こりゃあ、長丁場になるな。


恵梨香さんは思ったよりも頑固だと思っていたけど……その言葉の意味は、そうではなかった。


死亡して、光の粒に変化する斎藤。


この東軍の街のどこかで生き返り、俺達を見ればまた襲って来るだろう。


だけど……新崎さんの身体は、光の粒に変化しなかった。


斎藤の身体が完全に消えてもまだ、部屋の入り口の前に横たわったままで……。


「あ、あれ?何で消えないんですかね。死んだら光の粒になって、生き返って……おかしいな、忘れられてるのかな」


「真治少年。死者に敵も味方もないんだ。だから、良い人でも悪い人でも……どうでも良いんだ」












恵梨香さんのその言葉を、俺は納得したくなかった。


俺が死神を……恵梨香さんを追い駆けなければ、こんな事にはならなかった。


斎藤に殺される事はなかったんだと、激しい喪失感に襲われて、床に膝を突いた。