殺戮都市

「だそうだ、真治少年。死にたくなければ殺すしかなさそうだぞ」


いや、あんただ!


恵梨香さんがバラさなければ、俺が星5レアだなんて分からなかっだろうに。


少なくとも、武器を隠している間は。


「あああああっ!もうっ!こ、来いよ!俺が相手だ!」


ヤケクソ気味にそう叫んで立ち上がった俺は、日本刀を取り出して鞘から引き抜いた。


斎藤の武器が拳なら、切っ先を向けていれば迂闊には飛び込んでこないはず……。


と、思っていたけど、斎藤は俺を見ていない。


恵梨香さんの攻撃に意識を向けていて、俺にまで気を向ける余裕がないのか。


だけど……俺の足が動いてくれない。


斎藤の背中は隙だらけで、今なら殺せそうな気がするのに。


人を殺したくないという気持ちがまだ俺の邪魔をする。


どちらかに意識を向けて、どちらかが斎藤を殺すつもりで、恵梨香さんは俺の存在を教えたのだろう。


隠れて動かない俺を、動かなければならない状況に追い込む為に。


「少年!殺れ!」


恵梨香さんの言葉がさらに俺を追い込む。


身体が、自分の物ではないくらいに脈打って、冷たい感覚が駆け巡る。


これは身を守る為だ……。


そう言い聞かせて、俺は唾を飲んだ。