殺戮都市

「待て、真治少年。迂闊に近付くな」


新崎さんの所に行こうとする俺の前に手を出して、それを制止する恵梨香さん。


「大丈夫ですよ、新崎さんは俺に色々教えてくれた良い人です。話せば恵梨香さんの事だって理解してくれますよ」


そう言って、前に出された手を下ろそうとするけど……力が込められたままのその腕は動かなかった。


「真治君、こっちに来るんだ。分かってるのか?そいつは死神なんだぞ!罪もない人達を殺している殺人鬼なんだ!」


必死に、俺を呼び戻そうとする新崎さん。











……違う。


新崎さんは話してないから分からないだけだよ。


恵梨香さんが人を殺すのには理由があるんだ。


俺を殺したのは、苦しみが続かないように。


そして、さっきだってそうだ。


皆の前で強姦された女の子を助ける為だった。


「違いますよ新崎さん!この人はそんな悪人じゃないんです!一度話しましょうよ」


何とか恵梨香さんの誤解を解こうとしたけど……新崎さんはそこから動こうとしなかった。


この街に来て、間もない俺がおかしいと思う程に。


「頼むから戻って来てくれ!真治君!」


その言葉に、恵梨香さんは首を横に振った。