殺戮都市

片手で器用に髪を纏め、メットを被ると同時にその中に入れる。


一体何があったのか、美しい顔は隠れて、死神のスタイルに変わる恵梨香さん。


「誰か来る!真治少年、端末のサーチ機能をオフにしていないな!?」


「な、何ですかそれ……サーチ機能なんてあるんですか!?」


言ってくれないと分からないよ。


そんな機能があるなんて初めて知った。


「名前を知るとな、その人がどこにいるか探す事が出来るんだ。誰に名前を教えた?」


誰って……新崎さんと奈央さん、明美さんくらいだけど……もしもそうだったら大丈夫、敵じゃない。


「俺に親切にしてくれた人達にしか教えてません。だったら、警戒しなくても大丈夫ですよ」


立ち上がって、部屋の入り口に身体を向けた恵梨香さん。


確かに聞こえて来る、バタバタと言う足音に、俺も立ち上がって入り口を見詰めた。


足音がすぐそこまで近付いていて……勢い良く開けられたドア。


「真治君!いるのかい!?」


暗くてその姿をハッキリと捉える事は出来ないけど、声で分かる。


この声は……新崎さんだ。


俺が恵梨香さんに連れ去られたとでも思ったのかな。


ハハッと、呟くように笑って、俺は一歩踏み出した。