殺戮都市

「わ、笑ってませんって!良い名前じゃないですか。あ、でも、戦ってる時は死神の方が良いかも……」


「結局バカにしてるじゃないか。全く……久し振りに変な汗をかいてしまった」


そう言って、頭に手をやった恵梨香さん。


ゆっくりとメットを脱ぐと……その中から、少し長い、明るい色の髪が現れたのだ。


首を横に振った後、手で髪を肩の後ろに流すその姿に……俺は目を奪われた。


「どうした真治少年。私の顔と名前が合っていないと文句でも言うつもりか?」


メットで分からなかった、話している時の表情。


窓の外からの光で浮かび上がった恵梨香さんは……言葉では言い表せないくらい綺麗だった。


透き通るような白い肌、優しく大きな目、艶やかな唇。


そんな言葉では、逆に失礼なくらいに。


まさしく……北条恵梨香と言う名前がピッタリ合う。


「い、いえ……まさかこんな……美人とは思いませんでした」


俺は普段はこんな事を言わないのに、言わなけれ失礼だと思ってしまうほどの美しさだ。


「お、おだてても何も出ないと言っただろう!全く……近頃の高校生は皆こんなに口が上手いのか?」


そう言った恵梨香さんは凄く恥ずかしそうに顔を逸らして……死神のイメージは、どこにもなかった。