臆病な恋




もちろん、本命チョコだった。



初めて好きな人に作ったのだ。




『おいしい』と思ってもらえるように
何度も作り直して、ラッピングはどれなら可愛いか、たくさん悩んだ。




……喜ぶ顔が見たくて、私の想いが少し
でも嬉しいと思ってほしくて。




たぶん、私の手は緊張のあまり、震えて
いたと思う。




竜吾さんの顔を見るのが怖くて、私は下を向いていた。





「……ありがと」





そう言うと、私のチョコを受け取ってくれた。




バッと顔を上げると、顔が少し赤くなっていた。





「あ、あの――――……」





キーンコーン…カーンコーン…




私の言葉はチャイムによってかき消されてしまった。