「菜穂、遅いわよ。今日はののちゃんの彼氏もご飯食べて帰るんだから急いで。でも、手は脱いちゃダメよ。ののちゃんが恥をかいちゃうから」
「……うん」
お母さんはそれだけいうと、またニュース番組に目を移した。
何を作ろう。
望乃華はビーフシチューが好きだから今日はビーフシチューにしよう。
それから、大急ぎで晩ご飯を作り上げた。
「じゃあ、ののちゃん呼んでくるから。菜穂はお部屋で食べなさい」
お皿にビーフシチューをよそうわたしにお母さんがそう言った。
きっと、わたしが居たら望乃華に迷惑がかかると思ったのだろう。
わたしは、テーブルに料理を並べるとお盆の上にご飯を乗せて望乃華の部屋に向かった。
