「低栄養も重なったみたいで、普通の風邪よりもちょっと症状が重くなっていたみたいですね。ダメだよ、ちゃんと栄養取らないと。若いんだから、しっかり休んで、いっぱい食べてね。あと、彼氏くんもよく見てあげてね」



「はい、任せてください」



行きつけの病院に行けば、お馴染みのおじいちゃん先生にそう言われた。



わたしが、彼氏じゃないと否定しようとしたらそれより早く一之瀬くんが返事をしてしまって思わず顔を赤くしてしまう。



「昔から、菜穂ちゃんは一人で病院に来ては寂しそうにしていたから、今日は安心したよ。」



そう、優しく微笑んだおじいちゃん先生にわたしは弱々しく笑った。