「や、やっぱりわたしはあの家に必要なかった。心配してくれるかなってほんの少しだけ思ったけど、心配よりも授業を休むことに対して怒られちゃった」 へらり、と作り笑いをすれば一之瀬くんはわたしのほっぺをムギュと摘んだ。 「辛いなら、笑うなよ。ほら、傘は入れ。」 「え、?どこ行くの?」 「病院に決まってんだろ。そのあと、うちに来い。病人を一人ホテルにいさせたら余計に悪化するだろ」 ぐいっとわたしの腕を掴んでスタスタと歩き始めた。