愛してとは言わないから



それだけ言ったお母さんはまた、何事もなかったかのようにリビングに戻って行った。



わたしは、家に居たくなくて、苦しくて家を飛び出した。


そこには、やっぱり一之瀬くんは居なかった。



少しだけ、彼はまだいるかもんて期待した自分が馬鹿みたい。



期待なんて、したところで馬鹿を見る。



そんなの、ずっとずっと前からわかっていたことなのに。



もう、期待なんてしないって決めたのに。



「ふぇっ、」



なんで期待なんてしちゃったんだろう。