お母さんは、私を見た瞬間に不機嫌に顔を歪めた。 「菜穂、貴方なんで帰ってきたの?」 お母さんの言葉が容赦なくわたしの心に突き刺さる。 「熱が、出て倒れちゃって……」 「貴方、何やってるの?!こんな大事なときに熱なんか出して!授業に遅れるでしょ?今からでもいいから学校に戻って授業を受けなさい!」 あぁ、やっぱり。 お母さんはわたしが熱を出したくらいじゃ、倒れたくらいじゃ心配なんてしてくれないんだ。 そんなの、最初から分かっていた筈なのに。