愛してとは言わないから



それから、少しだけ会話をして家に着いた。



本当は帰りたくないけど、そんなことは言えない。



「あの、一之瀬くん。ありがとう」



「あぁ。早く治せよ」



そう言って、わたしが家に入るまで彼は家の前で立っていた。




家の中に入れば、リビングからはテレビの音が微かに聞こえた。



そして、玄関の締まる音がした直後にお母さんがリビングから出てきた。