愛してとは言わないから




「もう、やだよぉっ」


「うん」



「つらくてっ、苦しいよっ…!」



一之瀬くんの優しい声が、温かい体温が、抱きしめる力が、大きな手が彼の全てが、わたしにもういいよって言ってくれてるみたいで。



そんなこと言ってないのに、頑張らなくていいよって言ってるみたいで涙が溢れた。



誰一人気付いても分かってもくれなかったわたしの気持ちを、知ってくれた。



それだけで、幸せだったのに。




わたし、欲張りになってる。



一之瀬くんに、ずっと抱きしめてて欲しいって思ってしまってる。



一之瀬くんは、望乃華の彼氏なのに。