「一之瀬、くん」 「それはさ、言わなくていい情報じゃない?仮にも教師がよくそんなひどいこと言えたよな」 「そ、れは」 煮え切らない態度の先生に苛立ったのか、一之瀬くんはガンっ!と大きな音を立ててベッドの近くの椅子を蹴った。 「お前、教師やめろよ。俺に近付きたいならもっと見た目じゃなくて性格磨けば?年増のババァが気安く俺の名前呼んでんじゃねぇよ」 聞いたこと、ない。こんな一之瀬くんの声。 わたしは知らない、こんな怖い一之瀬くんなんて。