愛してとは言わないから



わたしは、お姉ちゃんだから。


親の手は煩わしちゃダメ。


わたしは望乃華のお姉ちゃんだから。


「せんせー、もうそろそろ黙ってくれる?」


わたしの目から涙が溢れそうになった時、そんな低くて威圧感のある声が聞こえた。



「い、ちのせくん…」



それは、さっきまで穏やかな寝息を立てていた一之瀬くんで。


今まで忘れていたけど、彼は不良のトップだったななんて思い出した。



保健室は、まるで彼が支配したように静まり返った。




華野先生も、顔を真っ青にした。