愛してとは言わないから




わたしはお姉ちゃんなんだから、一人でなんでもしなきゃダメ。



わたしはお姉ちゃんなんだから、人に迷惑をかけちゃダメ。



わたしがお姉ちゃんなんだから――――…。





「菜穂?どうかしたか?」





そんな声にハッとする。


目の前には心配そうな一之瀬くんの顔。



つい、考え込んでしまった。



と。




「菜穂、なんか顔色悪いぞ。大丈夫か?」



「え……?そうかな?」



そういえば、朝からずっと頭が痛い。



それでも、学校を休むわけにもいかず、そのまま学校に来た。



確かに、朝とは比べ物にならないくらい痛みがひどい。


なるべく悟られないようにしていたのに。



両親も先生も気付かなかったのに、なんで一之瀬くんは、気づくんだろ?