「あたしの部屋、散らかってて彼氏入れらんないの。わかるよね?分かったらとっとと出てって!もうすぐ彼氏来るんだから!」
呆然と立ち尽くすわたしを突き飛ばして部屋から追い出した望乃華。
突き飛ばされて転んだ衝撃に顔を歪める。
「あら、菜穂。こんな所にいたら邪魔よ。退きなさい」
そこにちょうどお母さんが通りかかった。
「ご、ごめんなさい」
「勉強は?まだなんでしょう?早く部屋に入りなさい」
「で、でも中には望乃華が……」
「あんたはののちゃんの部屋で勉強しなさい。お姉ちゃんなんだから妹の我が儘くらい聞いてあげなさいよ。ののちゃんの彼氏が来てくれるのにあんなに汚い部屋には入れないでしょ?」
母と望乃華はとても仲がいい。
いつも二人で出かけたりしている。
そこにわたしが入れてもらえることはない。
家族の中でも一人孤独だった。