一之瀬くんが家に来て一週間が経った。
相変わらず家では孤立した生活をしているわたし。
だけど、少しだけわたしの日常が変わった。
あの日以来、一之瀬くんがわたしを構ってくる。
「菜穂、ここなんだけどさぁ何度聞いても解んねぇ。教えてくんね?」
今日もまた、数学の時間が終わればわたしに話しかけてくる。
何でだろう。一之瀬くん、数学は得意な筈なのに。
「えっと、この問題はね」
意図が読めない彼に疑問を持ちつつもしっかり教える。
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