なんで、そんなこと気づいてしまうの? なんでそうなに愛おしそうにわたしを見るの? なんで望乃華は塚本なのにわたしは名前で呼ぶの? 頭の中をなんで?が占領した。 一之瀬くんはそれだけ言うと、部屋を立ち去った。 わたしは先程一之瀬くんが撫でた頭に恐る恐る触れる。 きっと、今わたしの顔は真っ赤なはずだ。