「……私ね、正直お祭りって あんまり好きじゃないんだ」 「人混みが苦手とか?」 「うん、それもあるんだけど…」 「……だけど?」 「人の目線が怖いというか… すれ違った時に目が合った人はみんな 私の悪口言ってるんじゃないか…って すごい思っちゃうんだ」 「そっ…か…」 「……でもね」 「ん?」 「今日は……不思議と全然怖くないの」 「おっ、ちょっと人混みに慣れた感じ?」 「ううん、たぶん……」 「ん?」 「…碓井くんが 居てくれたからだと思…う……」