am.11:09

もうどれくらい、頭の中を、君で埋め尽くされたのだろう。

親指、人差し指…と、指折り数えながら。

ほら、また。

浮かぶのは、一緒に笑い合う二人だけ。

一人の部屋で、黄ばんだ天井を、ただ見ていた。

身体を起こし、冷蔵庫へ向かい、取り出した野菜ジュース。

コップなんて使わず、ペットボトルのキャップを外し、そのまま飲みだす。

蒸し暑い部屋の全ての扉を閉め、エアコンのリモコンに手を伸ばした。

スイッチon。

ピッ。と音を経て動き出し、冷たい風が、数秒後に吹き始めた。

また、ベッドに寝転がり、天井を見つめてた。

am.11:21

自分から、あいを嫌いになることは、

「いや、無理だな。」

自問自答しては、一人で笑っていた。

目を閉じてみても、浮かぶあいの笑顔。

また、目を開いてみても、目頭が熱くなる思い出の数々。

それでも、このままだと、困らせるようなことを言ったり、悲しませたりしている自分がいるから、嫌われたい。とも考える。

何故か、#あい#の前では、自分が自分で無くなってしまう。

小さな発言、仕草に、熱くなりすぎる。

駄目だな。と思いながら、身体を起き上がらせ、近くにあった煙草に火を点けた。

一呼吸して、吐きだした煙の行き先を、目で追いかけ。

部屋に干してあった洗濯物。

煙達が、それに絡みつく。

もういいや。と、押し潰された煙草の先端。

副流煙が鼻に入って、少し咳込んでしまう。

am.11:34

何が良くて、何が悪いのか、答えは出てこなかった。

ただ、純粋に#あい#には笑っててほしい。と思う気持ちは嘘じゃなく、自分がいない未来でもいい。

そんなことを、狭い部屋で思っていた。

だから、決めたんだ。