ラブレター2

僕は、どんな顔をしていたのだろう。

「いっぱい飲めよ。」

ホストのお兄さん達は、相変わらず可愛がってくれて、キャバクラに毎晩、連れていってくれてた。

「元気出せよ?」

ちゃんと、笑っているのに。と思いながら、こんばんわ。と、変わり変わりに隣に座る、今時の女の子達。

決められたように、年齢は?職業は?出身は?と、同じことを何度聞かれただろう。

適当に話しても、つまらなくて、そんな席で、僕はお酒を飲むだけだった。

ある時は、

「よし、元気出させてあげる。」

最近知り合ったお客さん、自称、旅人。のお兄さんには、エッチなお店へ連れていかれることもあった。

「大丈夫だって。」

好きな人以外、気持ち悪く思う僕は、変だったのかな。

「何もしなくていいの?」
「いいよ。」

綺麗な人、可愛い子が目の前に現れるけれど、ただ、話しをするだけ。

気を使ってもらって、僕はお金を出してもらっているのに。

どうして、この仕事してるの?と、大変失礼なことを言ったり、頑張ってね。なんて、思ってもいないことばかりを、女の子達に口にしていた自分。

「元気、出たか?」

はい。と笑って言えていたのだろうか。

優しい人達に、凄く感謝していた毎日だった。

「ゆうちゃん、ダメよ。」

バイト先の可愛いお姉さん。

「え?何ですか?」

訳が分からず、生意気に聞き返した僕がいる。

この間、お客さんで来ていた人が、僕を気に入ってくれたみたいで、それがどうやら、バイト先のお姉さんの友達だったらしく。

「何もしないですよ。」

勝手に好かれて、勝手に怒られる、こっちの身にもなってくれよ。とは、言葉にできなかった。

過ぎていく日々に、段々と慣れてきた現実に、いつものオジサンに笑われていた目も完治。

泣いたりすることも少なくなり、決まった時間に、眠ることもできてきたから。

それでも、どうしても、どうしても、あい以外の女の人を好きになることができなかった。

折角の出会いを、僕は大切にできないまま。

そんなことを思い出しながら、また、バイトが終わって、夜のいつもの道を帰っている。