ラブレター2

また、学校も始まり、あと一週間程度で、自分の誕生日も近いことが分かる。

「何が欲しい?」

可愛く笑う、あいがいる。

「そんなの、いらないよ。」

きっと、何かを貰うと嬉しいのだろうが、貰う時の恥ずかしさを考えると、どうも、プレゼント系は好きになれない。

「え~。じゃ、どんなのが欲しい?」

あまり主旨が変わっていないが、適当にそれを流す。

「車、パソコン、大きな家。」

そう言うと、無理。と短い返事が、耳に入ってきた。

笑いながら、気にしなくていいよ。と頭を撫でると、小さく微笑む女の子。

二人で街を歩いたりしている。

それも、二人共に、『スリル』が付きまとうのだけれど。

「何処かで話そう。」

あいと、喫茶店みたいな場所へ入る。

席に座る前に、オーダーを通す。

お金が無かったために、この日はあいに出してもらった。

「テスト、いつから?」

「再来週からだよ。」

あいは、溜め息混じりで話す。

「また、徹夜かも。」

専門学校とは、そんなにきついのか。と思ってしまう。

ただ、最近は、愚痴とか言わなくなったあいだから、そんなに心配はしていなかった。

「ゆうくんは?学校、どんな感じ?」

「つまらない。糞みたいな奴らばっかり。」

好きな人達以外は、絶対に認めない自分。

「あらぁ。」

子供扱いされているのか、笑って話すあい。

「彼氏さんとは、どんな感じ?メールとか来たりしない?」

「たまに来るけど、何も無いよ。」

寂しそうな顔が、少し切ない。

「仲良くしなね。」

「あっちに好きな子できたかもしれないし。」

「いやいや、ありえない。」

僕の先輩達は、あいを好きな人が多く、その中の一人だったのが、今の彼氏さんなんだから。

先輩に好きな子なんて、できるわけないよ。

少しだけ、妬いている自分がいる。

「あっ、そう言えばさ。」

「うん。」

「昨日も、それっぽいメールしたんだけど。」

それは、毎月、心配な事。

「生理きた…?」

それは、一番不安な事。


「…まだ。」


それは、いつもと同じ、とても寒い日だった。