その日曜日、あいが、遊びに来ることになった。

「お邪魔します。」

「片付けを一緒にしてください。」

笑いながら、いいよ。って言うあいと、少しの間、部屋を片付けた。

その後、可愛い顔を見せてくれるあいと一つになって…。





「これ、やるよ。」

あいにあげた、最初のプレゼント。

「何これ?」

「いらないならいい。」

返せ。と言うような態度で、手を差し出す。

「開けていい?」

差し出した手は、あいの頬に触れ、目が合った瞬間、何度もキスをした。

「開けれないんですけど?」

二人して笑って、開けて、開けて。と子供みたいな自分がいた。

丁寧に包んでもらった箱から、『音符型のピアス』が顔を出した。

「ねぇ。」

「うん?」

「付けて。」

何か欲しい物ない?と、何気に聞いた時、今は、ピアスが欲しい。と、言っていたから。

ピアスは、体を傷付けるから、嫌い。

いや、嫌い。って表現は、間違っているかな。

本当は、可愛くなっていく女の子に、嫉妬してしまう。

いつか言ったけれど、ファッションとかにも疎い自分だし。

他の人に、彼女を取られちゃう。って不安が襲うから。

こんな独占欲の強い人を、好き。って、言ってくれるかな?

ただ、それでも、ピアスは、何故開けたの?って聞くと、高校を卒業したら穴を開けたかった。って嬉しそうに話されると、ね~。

「ねぇ、似合う?」

目の前にいる人は、何でも似合うと思う。

「まぁまぁかな?」

そういうと照れたように、音符を外そうとするから、

「今日は、付けてて欲しいな。」

だって、あいが、その間だけは、僕の物。と思うから。

「わかった。」

って、言ってくれる人って知ってるから。

気付けば、秋の匂いがする風が、僕の部屋のカーテンを撫でて、眩しい午後の光を連れてくる。

「気持ち良いね?」

「う~ん。あいのエッチ。」

「もう。」

あいに、頬をつねられて気付いた事。

ゆっくりとした時間が、好きになれた事。

いつの間にか、優しい時間に包まれ二人共夢の世界に引き込まれていた。

「夢見てたぁ。」

「ん?どんな?」

先に眠ったのは僕で、先に目を醒ましたのはあい。

「ゆうくんと、遊んでた夢。」

僕の胸に蹲(うずくま)る、一つ年上の女の子。

「ピアス、ありがとね。」

…………♪